ノートPCの動作が重くて、動画の読み込みが遅かったり、作業の効率が落ちてしまうことがありますよね。あまりの遅さにちょっとイライラしてしまったりするんじゃないでしょうか。
今回はその解決のために、PC本体の作業スペース(=メモリ)を物理的に広げる方法(=メモリ増設)を紹介します。
PCやブラウザの設定などでやりくりする方法もありますが、PC本体の処理性能をあげるため、とても効果的だと思います。
実際に、僕が所持しているノートPC「dyanbook RZ83/C」へのメモリ増設をやってみましたので、以下の内容を参考にしていただけるかと思います。
・増設するメモリの選び方
・ノートPCへの増設メモリ追加の仕方
・作業に必要な道具
メモリ増設をした結果、僕の場合は同条件の使用環境でメモリ使用率が72%→48%となり、とても快適に使えるようになりました。
参考:altbase運営者の使用PC遍歴
小学生~高校生 | 個人所有ではありませんが、FUJITSUのデスクトップPC(Windows 98)とメーカー忘れてしまったノートPC(Windows Me)に触れてました |
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大学 | SONY VAIO(ノート・Windows XP) メモリ増設経験あり |
社会人(1~6年) | TSUKUMO BTOパソコン(デスクトップ・Windows7)SSD交換2回経験あり |
社会人(1年~数年間※現在は使ってません) | 自作PC(デスクトップ・Linux)マインクラフト用サーバー運用 |
社会人(5年~現在) | dynabook RZ83/C(13.3型ノート・Windows 10) |
社会人(6年~現在) | dynabook BZ55(15.6型ノート・Windows 10) |
増設可能か確認する
増設メモリを選ぶときに注意する点は
- ノートPC用であるか
- 規格が一致しているか
ですが、そもそも今所有しているPCは増設可能なのかを確認する必要があります。まずはそれを調べていきます。
スペックから確認する
メーカーサイトやカタログでスペックを確認すると、標準のメモリ搭載状態がわかります。今回は、メーカーサイトで確認してみました。⇒Dynabook Direct RZ83/Cシリーズスペック
上記のような画面から下へスクロールすると、スペックが確認できます。
僕が所有しているdynabookの型番はPRZ83CB-SRAです。この表記の赤線部分から、以下3つのことがわかります。
- メモリスロットの1つにメモリ8GBを搭載している
- メモリスロットが2つで、空きスロットが1つである
- 最大16GBまで対応可能
つまり、メモリを増設して16GBにしたいときは、空いているスロット1つに8GBのメモリを1つ追加することで可能です。
実際に増設前の搭載メモリを確認する
念のため、実際に搭載されているメモリがいくつなのか確認しておきましょう。やっておくと、増設した後メモリが認識されているか確認しやすいです。
「コントロール パネル→システムとセキュリティ→システム」でアクセス可能です。
僕が所有しているPCでは、8GBになっていることがわかります。スペックで確認しているものと同じですね。中古などで購入したものは手が加えられている可能性があるので、事前に確認したほうが良いでしょう。もし、ここの表記が新品のスペックと異なる場合は、一度PCの中のメモリがどうなっているか自分の目で確かめるのが安パイですね。
※ここまで増設可能かどうか調べる方法を記載しましたが、僕自身は調べていません。PC購入時点でメモリ増設をする可能性を視野に入れていたため、空きスロットがあることを確認していました。後々、増設したいけど増設できないとならないように、PCの購入を検討する方は、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。
増設メモリの選び方
増設可能なことがわかったら、増設するメモリを選んでいきます。選ぶといっても元々付いているメモリと同じものを探します。先に挙げた「ノートPC用であるか、規格が一致しているか」ということを心配しなくて良いためですね。
2パターンありますが、2つ目の「本体型番から探す(便利なサイト:メモリダイレクトを使用)」がおすすめです。簡単で早くメモリ購入までたどり着けると思います。
メーカーサイトのスペックから探す
カタログのスペックから探しても良いです。先に挙げたメーカーサイトを見ると、
赤線部分のPC4-17000(DDR4-2133)のメモリが使われていることがわかるので、これと同じノートPC用のものをAmazonや楽天などの通販サイト等で購入すればOKです。
※メルカリやヤフオクで中古品が売られている場合がありますが、精密機器ですので、信頼できそうな販売店で新品購入がおすすめです。
しかしながら、この方法でメモリを調べるのはちょっと手間です。もう1つのメモリの探し方を見ていきましょう。
本体の型番から探す(便利なサイト:メモリダイレクトを使用)
本体の型番をWeb上で検索すると、どんなメモリが使われているかを調べることができます。とはいえ、調べるのも一苦労ですので、今回使ってみた便利なサイトを紹介します。
紹介するサイトは、メモリダイレクトです。サンワサプライ株式会社が運営するメモリ通販専門店でですので、信頼できるのではないでしょうか。所持しているPCの「メーカー、シリーズ、型番」があれば対応する増設メモリがわかります。
それでは使い方に行ってみましょう。
メモリダイレクトのトップページにある「増設メモリ」をクリック。
次に「増設メモリの対応確認はこちら」をクリック。
後はサイトの4STEPに沿っていくだけです。
まず、パソコンメーカーを選びます。僕は「TOSHIBA」をクリック。
次にパソコンのシリーズを選びます。今回は「dynabook」と入力し、画面下部の「dynabookシリーズ」をクリック。
※パソコンのシリーズは入力しなくても、画面下部から選択できるようになっています。シリーズってなんだ?となっても助けてくれます。
パソコンの型番を選びます。今回は「PRZ83CB-SRA」と入力し、画面下部の「RZ83/CB PRZ83CB-SRA」をクリック。
※パソコンの型番も入力しなくても、画面下部から選択できるようになっています。
選んだパソコンに対応する増設メモリが表示されます。
「DDR4-2133 PC4-17000 SO-DIMM」を購入すればOKってことです。ちなみに「SO-DIMM」がノートPC向けであることを示してます。
対応増設メモリだけでなく、スロット数などのパソコンの仕様もわかりますし、そのまま増設メモリを注文することもできるので非常に便利だと思います。
メモリの増設方法
必要なもの
メモリを増設するために必要なものは以下になります。
- メモリ
- ドライバー
- 静電気防止手袋
もし用意できるのであれば、タオルなどもあると良いですね。作業時にPCのボディーが傷つかないように下に敷くことができます。
※ドライバーセットを用意しましたが、実際に使用したのは下の写真のもの1本。
注意点
・メーカーによっては、PCの分解やメモリ増設等のパーツ交換・追加を個人で行うと保証対象外となる場合があります。必ず自己責任の範囲で行ってください。
・PCによっては、そもそも構造上、メモリの交換や追加が難しいものがあります。手を加えることが可能か事前に良く調べてから行いましょう。
メモリ増設に関する一般的な考え方・注意点は、こちらの記事を参考にさせていただきました。⇒公安9課「パソコンのメモリ増設方法・メモリの選び方を解説」
メモリ増設作業の手順
作業手順は大まかには以下になります。
- 電源を完全にシャットダウンする
- 電源コードおよびACアダプタをはずす
- バッテリを取り外す
- メモリカバーを取り外す
- 増設メモリをメモリスロットに差し込む
- メモリカバーを取り付ける
- バッテリを取り付ける
- 電源コードとACアダプタを接続する
※dynabook RZ83/Cシリーズは公式の作業説明がありますので、そちらもご参照いただけるといいと思います。⇒メモリを増設/交換する方法<dynabook RX73/C、RZ83/Cシリーズ>
メモリ増設作業
実際にメモリ増設作業を行っていきます。
1.電源を完全にシャットダウンする
「スタート」ボタンをクリック→「電源」をクリック→キーボードの「SHIFT」キーを押しながら「シャットダウン」をクリック
2.電源コードおよびACアダプタをはずす
こんな感じです。
3.バッテリを取り外す
PCを裏返し、バッテリ安全ロックを外します。スライドした際にクッとはまります。
次に、バッテリリリースラッチをスライドさせます。
こちらは、指で押さえていないと戻ってしまいますので、押えながらバッテリを取り外します。
これでバッテリを取り外せました。
4.メモリカバーを取り外す
ネジ2本をドライバーで緩めて、、、
メモリカバーを外すとメモリスロットが見えるようになります。
5.増設メモリをメモリスロットに差し込む
静電気でメモリやPCが壊れないように、静電気防止手袋を装着。
メモリの両側にある切れ欠きに指をあてがうように持ちます。
メモリスロットに斜めに差し込みます。
手を離すとこんな感じになります。
差し込んだメモリを下方向に倒していき、カチッと固定されるまで押します。
しっかりと固定できると写真のような状態になります。
6.メモリカバーを取り付ける
メモリカバーを取り付け、ネジ2本をドライバーで締めます。
7.バッテリを取り付ける
バッテリを取り付けます。このとき、バッテリリリースラッチを操作する必要はありません。バッテリの取り付けに合わせて動いてくれます。
バッテリが外れないように、バッテリ安全ロックを行います。
8.電源コードとACアダプタを接続する
電源が入ればひとまずメモリ増設作業は完了です。
増設できたか確認
「コントロール パネル→システムとセキュリティ→システム」で確認可能です。
「実際に増設前の搭載メモリを確認する」で確認した実装メモリは8GBでした。それが赤枠のように16GBになっていることがわかります。PCが追加したメモリを認識したことになりますので、メモリ増設は成功です。
メモリ増設の効果確認
メモリ増設前後で作業効率が良くなったのかを見ていきましょう。同じ状況で確認するために下記条件で比較してみました。
・画像編集ソフト「PhotoScape」使用中
・ウェブブラウザ「Google Chrome」でウィンドウ2つ(タブ20個、タブ15個の合計35タブ)を閲覧中
・「Google Chrome」上でYoutubeの動画1つ再生中
メモリ増設前は、メモリ使用率が72%となっています。あれ?100%じゃないし、十分ではないか?と思った方もいるかもしれませんが、PCのメモリは50%程度で動作させると安定すると言われているため、けっこう重めなはずです。実際動作もかなりもっさりしてました。
メモリ増設後には48%ほどになりました。
タブを複数開いているGoogle Chromeでウェブページを読み込んだりすると、モタツキが発生していたんですが、メモリ増設後はそのようなモタツキが軽減され、非常に快適に使えています。
PCの動作が重いなと思ったら、メモリ増設おすすめです。